HOME >> インプラント 適する人適さない人
インプラントの治療が行われるのは基本的に歯が欠損していれば誰でも適応になるとされていますが、場合によってはインプラントが適応にならない人もいます。
またインプラントを埋め込む部位の顎の骨が痩せ細りインプラントを埋め込むにあたり十分な骨がない人などに対しては、GBRやソケットリフトなどの手法を用いる事でインプラントが可能となることもあります。
しかしインプラントが適さない人もいるのです。
これは骨の質や量がどうこうというのではなく、全身にある疾患を持っている方はインプラントの治療を受ける事が出来ません。
そのためインプラントの治療を検討される場合には、自分が現在罹っている病気についてインプラントが可能かどうかを歯科医師にきちんと確認する事が大変重要になってきます。
インプラントが適さないとされる全身的な病気は以下になります。
もし自分が以下に当てはまる病気に罹っている場合には医師にインプラントが適応になるかどうかを確認しましょう。
■糖尿病を患い症状が重い方。
■心筋梗塞や脳梗塞をインプラント治療をする半年以内に経験された方。
■血液疾患がある方。
■高血圧でありながら適切な治療を受けずに血圧のコントロールが出来ていない方。
■その他の病気や様々な理由によりインプラントの手術に耐えることができないと診断された方。
以上のような方はインプラントの治療を受ける事が出来ない場合があります。
そこで次からはインプラントの治療と各病気がどのような関係にあるのかを見ていきましょう。
糖尿病は皆さんもご存知の通りすい臓で作られるインスリンの減少によるものですが、糖尿病を患っている方は血糖値がきちんとコントロールされていればインプラントの治療は可能となります。
そしてもし糖尿病の方がインプラントの治療を行ったとしても、血糖値をコントロールすることで、術後の経過も良く悪い結果にならないとされています。
しかし血糖値がコントロールされていない方がインプラントの治療を受けた場合、インプラント周囲の骨が作られにくいことから血糖値のコントロールが悪い人はインプラントの治療は不適応とされているのです。
ちなみにインプラントの治療を行う際の血糖値の目安は以下になります。
・食事指導などにより空腹時で110未満、食後2時間で140未満。
以上のようにとされていますが、血糖値は運動やストレスなどの要因で変動するものですから、インプラントの治療を行う時には「ヘモグロビンA1C(最近1ヶ月から2ヶ月の状態を反映したもの)」を7.0以下にコントロールすることが、糖尿病の方がインプラントの治療を受けるためには重要となります。
インプラントを検討されている方の中には骨粗しょう症であることを心配されている方もいるのではないでしょうか。
骨粗しょう症とは骨量が低下することで骨が弱くなり骨折しやすくなる病気です。
そこである医院で患者さん1500人以上の方を対象として特殊な機器により骨密度を測定した結果全身の骨密度が悪ければ顎の骨密度も悪いという傾向が認められました。
しかし骨粗しょう症で骨密度が悪かったとしてもインプラントの手術をした後の経過の悪さは認められていません。また慢性多発性関節炎の治療で服薬している薬の副作用で骨粗しょう症を併発された方にインプラントの治療をした結果も良好だと報告されています。
そのため例え骨粗しょう症を患っていたとしてもインプラントの治療に関しては手術後の結果に悪影響を与えることはないので心配ありません。
これは噛むときにインプラントに力が加わる事でその周りの骨が改造され硬くなるためだと考えられています。
インプラントはチタンという金属を骨に埋め込みますので金属アレルギーの方で心配な方もいらっしゃると思います。
そもそも金属アレルギーが引き起こされる原因は金属がイオン化し溶け出す事で、たんぱく質と結合し抗原となるのです。
そして金属アレルギーを引き起こしやすいとされる金属にはニッケルやスイギン、パラジウムなどがあり、これらは腐食を起こしやすいため金属アレルギーも起こりやすいのです。
しかしチタンの表面には酸化チタンと呼ばれる膜が薄く張られており、そのことで耐腐食性や身体親和性が非常に高いとされていることからチタン製のインプラントを埋め込んでもアレルギーを引き起こしにくいと考えられています。
そのため金属アレルギーがあってもインプラントの治療は可能です。
但し金属アレルギーを検査するパッチテストはあっても、安全性の高いチタンには市販の試薬はありません。
それでもインプラントの治療を検討されている方で金属アレルギーを心配される方はチタンでのアレルギー検査をする方法は有りますので、そちらを検討してみてはいかがでしょうか。
狭心症や心筋梗塞などの心臓病を患い、日常生活程度で息切れ、胸の痛みを自覚している方、肝臓や腎臓の病気のを患っている方はインプラントの治療を検討される場合は残念ながら見合わせた方が良いようです。
例えば腎機能の低下が著しく人工透析などをされている方がインプラントの治療を受けると感染症を引き起こす確率も健康な方と比べ高くなり、また抵抗力も低下している事からインプラントがつきにくいと考えられています。
そして肝臓の機能が低下している肝臓病を患っている方がインプラントの治療を受けると、出血が止まりにくいだけでなく、内服する薬によっては今まで以上に肝臓の機能を低下させてしまうなどのリスクを伴います。
そのため心臓病、腎臓病、肝臓病いずれの場合であってもこのような方がインプラントの治療を受ける場合には、かかりつけの医師と、インプラントの手術を行う歯科医師との緊密な連携が必要となり処置に臨む事になります。
口腔内乾燥症の方は入れ歯にするよりインプラントをお勧めします。
何故なら本来入れ歯というものは口の中で出される唾液によって吸着し、口の中で入れ歯が動いてしまうのを防いでいます。
しかし口腔内乾燥症の方が入れ歯にすると唾液の量が極端に少ないため口の中で入れ歯がカタカタと動いてしまいますよね。
そのため口腔内乾燥症の方は入れ歯よりインプラントの方が適しているのです。
また最近された報告でも口腔内乾燥症の方はインプラントが適応されるとされています。
インプラントの治療を検討される方の中には歯医者さんで行われる治療全般に対して極度な恐怖心があるという方もいるのではないでしょうか。
このような方の大半が頭で治療が必要だと分っているにも関わらず、いざ治療しようとなると自制を抑えられなくなるようで、治療が開始されるとどうにもジッとしていることができなくなるようです。
しかしこれではインプラントの治療も満足にできません。
そのため歯科治療恐怖症がある方は鎮静剤を使用することで心身をリラックスさせます。そしてインプラントの治療が終了した後に少し静養させることになりますが、それでもインプラントの治療を普通の人と同じ様に受ける事が可能となります。
入れ歯は人にとって異物であることから入れ歯を口の中に入れたときに思わず吐き気をもよおしてしまう人もいますよね。
これは口の中に入れた入れ歯によって嘔吐反射が起こるためです。
そして入れ歯で吐き気をもよおす場合その対処として、入れ歯を削って小さくしてしまうと当然のことながら入れ歯の安定性は悪くなり、食事をしていても誰かと話す時でさえ頻繁に入れ歯がはずれてしまうことになります。
そこで入れ歯で吐き気をもよおす人は入れ歯よりインプラントが適していると言えます。インプラントの場合であれば、天然歯と同じ様な被せ物を装着する事で異物であるという感覚はなくなりますので、問題なく使用することが出来るでしょう。
また嘔吐反射の強い方がインプラントの治療を行う際には、低周波を利用した針麻酔を施したり、歯科治療恐怖症の方に対して処方する鎮静剤などを使用することで嘔吐反射の強い方でもインプラントの治療は可能となります。
インプラントを行うために年齢制限はあるのでしょうか。過去に生まれつき歯が全く生えていない子供に対してインプラントを行った例はあります。
ですがインプラントが可能とされるのは性別や個体差によって異なりますが一般的に、歯が生える時期や骨の成長が終わった時期で、年齢で言うと18歳前後とされています。
しかしいくら18歳前後でインプラントが可能になるからといって20代になる前にインプラントを行うと、年齢を重ねるに連れて被せ物を取り替えたり、骨が吸収されやすいなどの報告がされています。
他にもインプラントの問題にはチタンという金属を使用することから金属疲労があり、例えば40歳前後の方が平均寿命までインプラントを使用しようとすると30年から40年ですが、20歳の方が平均寿命までとなると60年となりますよね。
それでは全く状況は異なり、現に世界でされてきた症例で40年インプラントを使用し続けたという報告はあっても60年という報告はありません。
そのため若い時期にインプラントの治療を行うのであれば、数十年後に治療のやり直しが必要になることを理解して治療に臨む必要があります。
先ほどインプラントの治療が可能となる年齢制限の中で若い方が治療する際について説明しましたが、では逆に高齢者がインプラントをする場合にはどうなるのでしょうか。
ある文献ではインプラントを受ける年齢が高くなるに連れて失敗も増えるとはされていません。つまり年齢が高いからといってインプラントで失敗することはないとされているのです。
そして症例の中には80歳という高齢の方に対してもインプラントを行ったとされる報告もあります。
このようにインプラントが可能な年齢は高齢とされる方に対しても適応されています。誰でも食べ物をしっかり噛んで食事を楽しみたいという願望はあるものですから、歯科によっては80歳を超える方に対してもインプラントの治療を行ってくれるところもあります。
インプラントがつきにくいとされる方の中には「喫煙者」がおり、これについての文献の内容も厳しく書かれているものが多いほどタバコとインプラントの関係は難しいものなのです。
そこでここまでタバコがインプラントに悪影響とされる理由は骨にインプラントがつきにくいや、骨が吸収されるのを促進するなどが挙げられています。
またGBRなどを用いてインプラントを行う場合、タバコを吸っている人は手術後、傷の治り具合が遅いとされています。
それは手術の傷が癒えるまでには十分な栄養を必要とするだけでなく、インプラントの周りの骨が作り変えられるのは力が加わる事で常に新たな骨が入れ替わることでされているのです。
しかし喫煙をすることで酸素を運ぶ血液の能力は低下し、歯茎や歯槽骨の末端の細い血管の血流が悪くなり、インプラントの予後、手術後の治癒が遅くなるとされています。
そのためインプラントの治療を検討される方は出来る限り喫煙を控えるようにしましょう。
インプラントは噛み合せの際にかかる力が強くても大丈夫です。
そもそも噛み合せが悪ければ顎の位置も悪くなってきます。つまり顎の位置がずれてしまうのです。
そして顎がねじれてしまったら本来の顎の位置に補正しなければなりません。
そんな時に加える力は非常に強いもので、強い力を加えることで顎の位置を補正するのです。
しかしインプラントではこの強い力にも耐えることができます。
インプラントは強い力を十分に受けて、補正した顎の新たな位置で噛み合せのリハビリテーションが可能となります。
そのためインプラントは噛み合せが悪い方の治療にも最適であるとされています。
また噛み合せが悪い方への治療にインプラントは欠かすことはできません。
それくらいインプラントは噛み合せを補正するための強力な助っ人なのです。
普段から耳鳴りで悩まされている方いませんか。しかも耳鳴りの原因が噛み合せによるものであるという方いませんか。
実は噛み合せの悪さからくる耳鳴りを治療するためにもインプラントは有効です。
噛み合せの悪さの原因には過去に行った歯科治療によるブリッジや入れ歯、被せ物が適さなくなったため、噛み合せが悪くなっている場合があります。
またブリッジや入れ歯、被せ物は噛み合せが悪いことで歯周病を起こす原因にもなります。
しかしブリッジや入れ歯などを入れていた歯の無い部位にインプラントを埋め込み、仮歯で顎の位置を補正しても奥歯がなければ、補正する際に加わる強い力に耐えることはできません。
そこでこのような方にはインプラントがお勧めです。
インプラントを適切な部位に埋め込み治療する事で、噛み合せも最適な状態になるだけでなく、噛み合せの悪さからきていた耳鳴りも徐々に改善していく事ができるのです。
奥歯がない方で肩こりや頭痛に悩まされているという方いらっしゃいませんか。
そのような方にもインプラントはお勧めです。
通常、奥歯が無い状態が続くと奥に向かい下顎が沈んでしまいます。
そのせいで肩こり、頭痛、腰痛などの原因になってしまうことがあるのです。
特に生活習慣に問題のある方は症状が出やすく、個人差にもよりますが中には噛み合せがほんの少しズレるだけで体調を崩しやすい人もいるのです。
しかしこのような方に入れ歯をすると噛むたびに沈んでしまったり、歯茎が痩せてくるなど後々何かしらの問題が出てきてしまい噛み合わせを安定させる事ができないのです。
そのためこのような方にはインプラントがお勧めです。
インプラントであれば骨と結合することでしっかり固定できますので、奥歯が無いがためにズレてしまった顔のラインを元のように戻せるだけでなく、噛み合わせも安定させることができます。
自分の歯の根っこが割れてしまう原因は神経の無い歯の場合によく起こります。
神経が無い歯は他の歯と比べて脆く、普段と同じ力で噛んだ時でも簡単に割れてしまうことがあるのです。
植物に例えると生きている木の枝や花の茎を折ろうと思っても中々簡単にポキッとは折れてくれませんよね。ですが枯れてしまった木や花であればいかがですか。
少しの力を加えるだけで簡単に折れてしまうものです。
神経の無い歯もこれと同じ状態なのです。植物で言う水分が歯で言う血液。この血液が供給されなくなる為神経の無い歯は簡単に割れたり折れたりしてしまうのです。
そしてこのような場合には大抵が抜歯となります。
そのためこのような時には出来るだけ早期に治療が必要です。
インプラントではこのような場合でも対応できますし、インプラントを埋め込んだ歯に関しては今後歯根がダメになるなんてことを考えなくて済むのです。
もし歯の根が折れた場合、折れた部分によって異なりますが大抵は抜歯となります。
そこで折れた歯が何とかならないかと抜歯にいつまで踏み切る事無く放置してしまうと後々問題となります。
例えば破折した箇所から雑菌が入り込み感染を起こしたりするケースがありますが、このようになってしまうと周囲の骨の吸収が起こってしまうのです。
そして骨の吸収が進む事でインプラントを行う時に不利な状態となってしまうのです。
しかし歯根破折と診断された早い段階で適切な処置(抜歯)をすると、骨の吸収を防ぐことができ、骨の吸収が少ない場合には抜歯をすると同時にインプラントを埋め込む抜歯即時インプラントが可能となるのです。
また骨の吸収の度合いによってはGBR法などを用いて抜歯と同時にインプラントを埋め込む事も可能です。
そのため歯根破折と診断されたら早い段階で治療を受けてください。
放置する期間が長ければそれだけインプラントにとって悪条件となってしまいます。